鞄から茶封筒を取り出す。 さっき、丸井からもらったものだ。 封筒が必要なら、これを使ってと渡された。 役に立つとは。まさか、丸井はこうなることを分かっていた? そんなわけないか。予言者じゃあるまいし。 僕は封筒に、南 彩さまと宛名を書き、手紙を入れた。 手紙と一緒に、今日もらったプリント類を郵便受けに投函した。 雨がいっそう激しくなる。 僕は急ぎ足で家を目指し、歩き出した。