「鼓動…聞こえるね」 「うん…。健のも、聞こえるよ」 「…なんか、ホッとする」 「そうだね」 「うん…」 「…ねぇ」 「ん…?」 耳元で囁く南。ピクッと僕の肩が動く。その声は妙に色っぽい。 「…これからはさ、彩って…呼んで…? ダメ…かなぁ…?」 「…ううん、いいよ。あ、彩…」 「…健」 「…なんか、すっごくドキドキする」 「…あたしも」 南…、いや、彩の顔を見つめる。彩も僕を見つめる。 自然と顔の距離が縮まって…。ああ、そういうこと。 ゆっくり目を閉じる。そっと唇が触れた。