答え合わせ




「…関、お前さ…。いや、何でもない」


「…え?  何だよ」


関は、ふぅと一息つき、再び話し出す。


「…その答え、お前が一番よく知ってんだろ…?  オレからは言えねぇよ。これでも、サッカー部員として、クラスメイトとして、友達として、お前に接してるから…。何となく分かるんだよな。お前は、ヤバイ時は1人になりたがる…。違うか…?」


…その通り。


オレは、自分がヤバイ時ほど、冷静に振舞おうとする。そうでもしないと、自分が持たない気がして…


だから、今回も本当のことは言えないんだよ、特に今回だけは…


けど、何かしらは答えなきゃなんない。


「中村の言う通り…かもしれない。けど、けど…」


言葉が出てこない…。これ以上は、言えない。…って言うか、言いたくない。


「…分かったよ。お前なりの優しさ…、そう解釈しとくよ。…マジでヤバイのか…お前…?」


どう反応していいか分からず、じっと中村を見る。


中村は無言で立ち上がり、窓を眺めた。


そして、ポツリと言った。





「…泣いていいか…?」





その後、中村は外を見ながら、静かに涙を流した。