扉がゆっくりと開く。そこに居たのは…
「な、中村…」
入って来たのは、中村だった。 なんで中村が…?
病名はおろか、どこの病院にいるかも誰にも言ってない。中村はどうやって…
「…突然ゴメン」
「…謝まる必要はねぇよ。…ま、とにかく入れよ」
「お、おう」
ゆっくりと中村は部屋に入った。
オレは近くの椅子を勧めた。中村はコクリと頷き、静かに腰掛ける。
「…まさか、来てくれるとは思わなかったよ」
「…オレも正直迷った。関には関なりの考えがあるんだろうなって。元気になった姿を見せて驚かしてやろうって考えてるのかなってさ」
「…よく分かったじゃん」
笑顔で返すも、笑いきれていなかった。
元気になって、学校へ行くなんてこと、もうないんだから…

