ギイッと屋上の扉が開き、私は慌てて振り向く。
「な…ほ…ちゃん…」
かろうじて出た、私の声。
かすれかけ、今にも消えそうなか細い声、そんな声しか出なかった。
「つかさちゃん…」
奈穂ちゃんは私に駆け寄るや、ぎゅっと抱きしめた。
「私…、私ね」
泣きじゃなくりながら、話し出す私の耳もとで、奈穂ちゃんはそっと、そっとつぶやく。
「何もしゃべらないで。泣いていいよ? ツライときはね、泣いていいんだよ? 友達、頼っていいんだよ?」
涙があふれた、その優しさに。なんて優しいんだろう。
奈穂ちゃんは、私が泣きやむまで黙って背中をさすってくれた。

