奈穂との待ち合わせ場所の雀田橋へと向かう。
奈穂の提案で、夕方に会って話そってことになった。
中村くんも来たがってたけど、奈穂がダメって言って止めたってさっきメールできてた。
「あっ、奈穂!」
雀田橋に着くと、奈穂はもう欄干で待っていた。
「彩…!!」
奈穂はキュッとあたしを抱きしめてくれた。
その仕草から、全部お見通しなんだろうなあって思った。
「…やっぱり奈穂にはかなわないな~」
「そう?」
「さすが、先生だよ…」
「…やっぱり恋の悩みなんだね?」
「…うん。いろいろあって…」
「わかった。じゃ、場所を変えて話そ?」
そっと笑みをこぼした奈穂は、歩き出した。

