「なんか、彩ちゃんさっきからボーッとしてたけど、何かあるんだったら、頼りないかもしれないけど、奈穂に相談してな」
中村くんは奈穂を見て、ニコッと微笑んだ。
「頼りないとは何よ~」
「おう、悪りぃ悪りぃ」
そんなやりとりをしてる奈穂と中村くんを見て思わず、「いいなー…」とつぶやく。
「あっ…、ゴメンね 彩。彩の話だったのに…」
奈穂は申し訳なさそうにそっとつぶやいた。聞こえてないと思ってたのに…
「う、ううん! いいのいいの。奈穂は謝らなくてもいいの」
「…彩…」
そう言うと、奈穂はそっと背中を撫でた。
「彩、ちゃんと話して? ムリしちゃダメだよ。ウソついてもダメだからね? 彩は落ちこんでたりするときほど、いいのいいのって言うんだから」
ううっ…
奈穂の優しさに思わず涙があふれた。

