片付けをしながら、チラッと時計を見た。よし、あと20分もすれば、部活終わり!
これほど部活が終わるのを待ち遠しく感じるのは、たぶん初めてかもしれない。
「お疲れさまでした!!」
挨拶が終わり、みんな帰り支度に取りかかった。閉門まではあと10分ほどになっていた。
オレもスパイクやら荷物を持って歩き出す。しばらく歩いたとこで、いきなり関が耳打ちしてきた。
「帰り道、デートだろ?」
関は小さな声でそう言うと、青木達の集団へと走って行った。
な、なんだ??
…なんで知ってんだ? それに、デートって言われるとちょっとハズイし、ちょっとドキドキする…
ま、実際、デートっちゃデートなんだけど…
しかも、すべてお見通しですよ、的な言い方だったし。なんなのアイツ。読心術でもできんの?
まっ、いっか。オレは正門へと急いだ。
正門に着いた。けど、長谷川はいなかった。

