「彩…、昨日はありがとね。彩が言ってくれたから、私も自分の気持ち伝えられたし」
「ううん。あたしはなんにもしてない。奈穂の人柄だと思うよ」
「そっかな…。ありがと。…それより、彩はどうなの?」
「え⁈ あたし? あたしは特に…」
「またまた〜。好きな人いるんでしょ?」
「え、ええ⁈ いないよぉ」
「…、そう? 浦上くんばっかり見てるのは、私の気のせいか…」
「…、えっ、あっ…」
「フフフッ、彩も恋してるんだね」
「奈穂に言われたくなぁい!」
「だからさ、今度は私が応援する! 彩の恋が実るように」
「…ありがと…」
彩にはやや涙声になっていた。
そう、恋ってツライ。相手のことを考えただけで、胸が何かで締め付けられるように、キューっと痛くなる。

