「ねぇ…」 南は静かに言った。 「ん?」 「い、一緒に帰らない?」 「う、うん」 こうして、僕は南と一緒に帰ることになった。ちょっと嬉しい。 でも、何でだろう。嬉しいって気持ちがどこからきているのか、よく分からない… 昇降口を出た。冷たい北風が頬をさす。 「さむーい…!」 そう言うと、南は手袋をはめた。 「そうだねー。まあ、あと1週間もすれば、お正月だしね」 「だね!」 僕も手袋をはめた。