丁字路を曲がり、階段を登り始める。



階段は、滝のように水が流れていた。


水に混じって枯れ葉や泥も流れていた。





「ただいまー」


玄関を開ける。



「おかえり~。雨、すごかったでしょー」


母さんの声がした。



「うん。急に降られたからね」


「ほらね。傘持ってって良かったでしょ?」


「そうだね。ありがとう」




………………………………………………




湯船に浸かりながら、今日のことを考えていた。



“南と話していると、何だか元気が出るよ”



そう書いたものの、なぜなのか。何で南と話してると、元気が出るのか。




思いあたるのは…南のあの笑顔…かな。