雨脚はいっそう強くなる。雨音以外は、ほとんど何も聞こえない。鞄もだいぶ濡れてきた。


刻一刻と、空は闇夜に包まれようとしていた。


雨脚が強くなる一方なせいで、路面にも水溜りがかなりできていた。


時折、往来する車にかけられないように、周囲に目を配りながら歩く。


車から浴びせられる、ヘッドライトが眩しい。


いつもなら、ヘッドライトが要らない時間だろうが、今日は必要だろう。


あともう少しで丁字路だ。