車の中では何も話すことはなく、 チョコレートが入った袋を抱えて、 ただ音楽がながれているだけ。 あっという間に家についてしまった。 「…降りないの?」 宗汰だって乗ったまま。 たぶん今日は帰っちゃうんだろう。 「…。」 私は返事をしなかった。 今日で宗汰を解放してあげるから…。 もうちょっと居たいんだよ、一緒に。 「俺ん家くる?」 「…。」 「無視かよ。」 「チョコ。 食べたら帰る。」