「なつめちゃん。」
声をかけてきたのは尚くんのお母さんだった。
「なつめちゃん、少しの間だったけど尚と付き合ってくれてたんだよね。
尚ったら毎日耳が痛くなる程、
なつめちゃんの話ばっかりしてたの。」
尚くんのお母さんはふわりと笑った。
親だから、
雰囲気が尚くんを思い出させる。
でもその目は腫れてて、
真っ赤になっていた。
「息子だから、
なつめちゃんに言いたいことが1番わかるの…。
これから時間が経って、
尚と同じぐらい好きな人ができたら、
迷わず幸せになって?
尚がなつめちゃんを幸せに出来なかったぶん、
その人と幸せな時間を過ごして?
尚を弔ってあげれるのはそれしかないと思うの。」

