「大切な人が死ぬって、
辛すぎるわよね。」
尚くんのお母さんの作り笑いに心が痛かった。
「ほんと薄情者…。」
私も墓石を見る。
「こんな可愛い子置いて、
尚もほんと馬鹿だわ。」
「…。」
「なつめちゃん、
私のお願い聞いて欲しいんだけど。」
「何ですか?」
「時間はかかるかもしれない。
葬式の日も言ったけど、
いつかは尚にサヨナラして欲しいの。」
その言葉が私に突き刺さる。
「私もね、
そろそろ旦那にサヨナラするの。
…再婚する予定なんだ。」
「え?」
「本当は尚も入れて3人で新しい家庭を築くつもりだったの…。」
私は何も言わずただその話を聞いた…。

