思い出したら涙が出てきた。 「なつめ?」 「もうやになるね。 何してても尚くんのこと思い出して…。」 溢れた涙をぬぐったのは、 宗汰の手だった。 「今はそれでいーんじゃねーの?」 ちょうど信号が赤になり、 宗汰がこっちを向いた。 「忘れるとか出来ねーよな。 尚のこと思い出してやれよ。 楽しかったことはさ、 笑って思い出してた方がなつめらしい。」 そう言うと、 タバコを燻り始めた。 「そーたー、 煙が目にしみるじゃんかー。」 「ふ…。」 口角を上げた。 笑った宗汰はいつぶりだろう。