少し残念な気持ちはまだ正直あるけれど、ただ合コンで出会っただけの私を彼が信じて見込んでくれたなら、役に立ってあげたいと思うには十分だった。
何だか可笑しくなって、私の表情は知らず知らず綻んでしまう。
「ねえ司さん。どうして今日会ったばかりの私に、こんな大事な役目を任せてくれるんですか」
そのぐらい聞いたって罰は当たらないだろう。
ついつい頬を緩ませつつ問い掛けると、彼は私を見下ろして一度瞬いてから。
ふっと息を漏らして笑ってくれた。
「合コンの席で、君だけは俺に興味が無さそうだったから」
そうか。納得した。
例えば彼に想いを寄せている女の子が、彼の好きな別の女の子のために喜んで花を見繕ってくれるとは思えない。
推測するに、きっと彼は周りの女の子にモテ過ぎるのだろう。
