行くべきか、行かないべきか。
私はちょっといい男相手なら、こんなに簡単に身体を許すバカ女だったのか。
いや、そんなにお股が緩い女じゃない。やっぱり駄目だ。
「あの! 御免なさい、私こういうのはやっぱり! その、そういう事は、司さんのことをもう少し知ってから…!」
「───俺さ、好きな人居るんだよね。だから、」
私の発言にかぶせ気味に発せられた彼の言葉で。
私の無駄な決心とか葛藤とかは、秒で粉砕された。
「…だから、その人に告白するために、君に協力して欲しい」
彼ははにかむように笑って、照れ臭そうに私から視線を逸らす。

