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腕を掴まれて、引っ張られる。

予想外の行動、そして思いの外強い力に耐えられず、後ろに倒れかけた。


「…っと、悪い、強く引きすぎた」

後ろから優しく抱きとめられれば。

「ちょ…何すんの!?」

「だからごめんって」

「許さん!!」

必要以上に男に触られるの苦手なんだって!


「早く離してよ」
腕は掴まれたまま。
早く戻りたい。触らないで欲しい。

「しつこい男は嫌いなの!」


無理矢理手を離し、急いで教室に向かう。
なんであんなやつがモテるわけ?意味わかんないなぁ…







「へぇ…俺に対してあんな反応したやつ初めてかも」

そんな莉亜は、面白いものを見つけたかのように笑う彼のことを知る由もない…