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「あ、あの…ずっと前から好きでした!よければ付き合ってk「ごめんなさい」」

「あたし、誰とも付き合う気ないの。君にはもっといい人が居るよ、ごめんね」
遮るようにそう言えば。

「そう、ですか…こちらこそごめんなさい」
ぺこりと頭を下げて、去っていく男の子。


後輩に悪い事しちゃったな…
後に残るのは罪悪感。告白だって嬉しくないわけじゃないけど、男の人って、やっぱり好きになれない。


「恋愛だってできるならしたいけど…」

「けど?」

「やっぱり好きになれな……ん?」


突然聞こえてきた声。
後ろを振り向けば、黒髪、黒縁眼鏡の難しそうな本を持った人…

圧倒的人気を誇る、同じクラスの黒崎 怜がいた。

「…なんでここに?」

「通りがけに、俯いて全力で走る一年見かけたから
なにがあったのかって好奇心で」

「そう…まぁいいや」


そろそろ休み時間も終わるし、教室に戻らなきゃ。
「あたし教室戻るから」なんて言ってこの場を離れようとする。



その刹那、ぱし、と軽い音をたてて、腕を引かれた。

「…っ!」