「おいしい! もう一個食べてもいいー??」 「杏奈ちゃんにそう言ってもらえると わたしも嬉しいねえ。」 そういってスズおばあは わたしに梅干しの瓶を 差し出した。 わたしはほぼ毎日 スズおばあと お菓子を作ったり お裁縫をしたりして あそんでいた。 だからかな。 近くに住む ”あの子” のこと 全く知らなかったんだ。 あの子は私のことを ここに来た時から 知っていたのにね。