伝えたかった。


音楽を聴きながら


歩いていると


誰かに肩をたたかれた。


「えっ?」


イヤフォンを


外しながらふりむくと


そこには同い年くらいの


男の子が立っていた。


「さっきこれ落としませんでしたか?」


「あ!ありがとうございます。


気づきませんでした。」


「いえいえ。じゃあ」


その男の子は


イヤフォンをつけながら


さっき来た道を戻って行った。


(わざわざ追いかけてきてくれたんだなー。)