命令を下された私は、はなれまで走り、すばやく奥の戸棚の一番下に手をかけた。
黒地に金の糸で縁取られた紅色の牡丹があしらわれている竹刀袋が姿を現れる。
静かに竹刀袋をとると漆黒の鞘に包まれた〝妖刀 新月〟が暗い存在感をはなっていた。
私は、乱れはじめる心臓を無理やり抑えつけながら、ゆっくりと柄に右手を近づける。
震える人差し指の先が柄に触れた。
黒地に金の糸で縁取られた紅色の牡丹があしらわれている竹刀袋が姿を現れる。
静かに竹刀袋をとると漆黒の鞘に包まれた〝妖刀 新月〟が暗い存在感をはなっていた。
私は、乱れはじめる心臓を無理やり抑えつけながら、ゆっくりと柄に右手を近づける。
震える人差し指の先が柄に触れた。


