新月の輝くとき


ジジジジジジ…

私はシュレッダーに紙切れがゆっくりとのみ込まれていくのを見ていた。

恵は、ひとしきり私に謝った後で、熱い眼差しをキラキラと輝かせながら意中の彼について語ってくれた。

「出会いは私の不注意だったんだけどね、少し前、私がトラックにひかれかけたことがあったの。トラックは、目の前に迫っていて、私も諦めかけていたわ。〝走馬灯のように想い出が…〟ってあれ本当よ。それで、その時だったわ。あの彼が助けてくれたの…うんたらかんたら」

つまり、恵は、トラックとの交通事故直前の窮地から恵を救ってくれた彼に恋心を抱いたらしい。

その人は、イケメンだったので、校内一イケメンの清宮と勘違いした。

しかし、意中の彼はもっとイケメンだったなという考えに至ったらしい。

あれが〝恋する〟ってことかしら、私は恵を思い浮かべてぼんやり考えていた。