「まさか、神崎、お前…」

清宮の右頬が微かに引きつる。

その表情に満足した私は、満面の笑みを浮かべる。

「ご名答!モテる清宮がオーディション受けて、役をゲットしてくるの。メイクアップするだろうし、文化祭の日は私があんたになり変われば、大成功よ。で、ツッコミ二つ目は?」

清宮は、引きつった表情で続ける。

「〝妖狐殿〟が学生ではなく、一般客に紛れた場合は?」

「〝妖狐殿〟討伐を断念して、何も起きないことを必死で神に祈りましょうね。」

他に作戦の案があるなら言ってみろ、と言わんばかりの顔で清宮を見た。