新月の輝くとき

〝家の者は全員〟

つまり、私、神崎小夜にも討伐命令が下ったということだ。

かの有名な陰陽道の神崎神社の娘が私、神崎小夜である。

しかし、陰陽師である父や祖父の血は、まったく引き継がれなかったらしい。

正月や盆で集まるたび親戚のお小言が絶えないが、努力して手に入るものでもないため私も諦めている節がある。

そして、もう一つ、私を悩ませる親戚のお小言の種が存在する。


私が「〝妖刀〟を扱える」ということだ。