紙に触れる私の指先が震える。

そして、凄い剣幕でまくしたてた。

「こ、これは、密告書…?それで〝妖狐殿〟というのは、〝イケメン九尾の狐〟なのね?」

「えっと、お前の持っているのが密告書っていうのは、正解なんだろうな。しかし、〝妖狐殿〟が〝九尾の狐〟で〝イケメン野郎〟かどうかは、よくわかんな…」

私ら素早くその言葉を遮り、再度まくし立てる。

「それで我が高校の文化祭のチラシを毎日穴が開くほど見つめていたのは、私のことが…」

「私のことが気になっているから♡、とか言ったらぶっ飛ばす。緊急事態だ。場合によっては討伐に協力してもらう。」

清宮が、冷酷な瞳で私を睨みつけた。

「オールオーケーよ。清宮くん、協力させていただきます。」

私は、清宮が恐ろしかったということ(一割)と、イケメン九尾の狐に会いたいということ(九割)で清宮の要求を二つ返事で了承した。