新月の輝くとき

今からほんの三日前。

その日は、月が綺麗な日であった。

日本人独自の感性を身につけている(と自負している)私は、コンビニで買ってきたお餅を手に縁側で優雅に月を観賞していた。

きな粉のお餅がちょうど半分程私の胃袋へ消えたときだった。

「〝酒呑童子討伐〟命令受諾。家の者は全員、戦闘準備!」

私の祖父の声が轟いた。

いつも閑静な雰囲気で人気を集める神崎神社に、ピリッとした緊張がはしった。