新月の輝くとき

私の友人、狩沢恵である。

朗らかで綺麗な声なのだが、その内容に私は目眩を覚える。

人間には、必ず得意分野と不得意分野がある。

勉学は、私の不得意分野である。

理由は、ただそれだけである。

私は、自分が焦点の定まらない目で宙をぼんやり見つめていたことに気づいた。

恵が心配そうに私を見ていた。

「小夜?しっかり現実を見つめて。次頑張ればいいじゃない!」

見にいく前から「次、頑張ろう」発言をされる私の成績は、お察しの通りである。

廊下は、人でごった返していた。