私、神崎小夜は高校生である。

私が〝陰陽道から外れ、妖刀を扱う怪しい神崎神社の跡取り娘〟だったとしても花の女子高校生なのである。

語尾に〝テスト〟や〝考査〟がつく言葉を毛嫌いする普通の女子高校生なのである。

そして、ある秋の日のことである。

私は、教室で窓の外に風になぎ倒されるすすきを見て、肌寒さを感じていた。

「小夜っ。中間考査の結果、廊下に張り出されてるよ!」

高い位置にまとめたポニーテールを軽やかに揺らしながら、少女が教室に入ってきた。