月明かりが夜道に男女の影を長く引きのばしている。

「お腹すいたぁ」

女は、今にも悲鳴を上げそうな腹を寂しそうに抑えていた。

「呑気なもんだな。ったく、お前が背負えよ、これ。」

男は、苛立った様子で背負っているモノを女に見せつける。

女は、すぐに目を逸らすとおえっと口元に手をあてた。

「そんなもの、見せつけないでくれる?冗談なしにグロいんだから。」