あまりの熱さに汗が噴き出してくる。

頬を汗がつたうのを感じる。

服が肌に吸い付き、気持ち悪い。

はぁっ、はぁっ、はぁっ…

タッタッタッタッタッタッタッタッ…

私は、すでにかなりの距離を走っていた。
パチ…パチッパチパチ…

周りの木々は、火の粉を散らしながらごうごうと燃えている。

私は、すでに炎に包み込まれた山の頂のほうを見上げてぼんやりと思った。

こういうのを、古の人々は、火の海と表現したんだろうな…と。