新月の輝くとき

炎の奥から、人影が姿を現す。

近づいてくるに従い、鬼のようだと分かる。

鬼も地獄のような炎には、敵わないらしい。

私は、ふと疑問に思ったことをそのまま、口にしてみる。

「お腹の出てるし、赤ら顔だし、血糖値高そうな酒好きを連想させる鬼ね。」

「何が言いたい?」

清宮が右の頬を引きつらせる。

「酒呑童子って確かお酒好きよね?」

「はっきり言ってくれ!」

「あの鬼、酒呑童子だったり…なんてことはないわよね。まさかぁ。」

私は、ははっと乾いた声を漏らした。

「現実を見よう。」

清宮の冷たい声が耳に響いた。