新月の輝くとき

バレンタインの三倍返し

すっかり日も落ち、帰り道。

「……今日は、ありがと。」

気恥ずかしさを感じて、私は、明後日の方向に、視線を投げる。

清宮に、謝辞を述べる事に、屈辱を感じるのだ。

「別に……。」

隣を歩く、清宮は、一昨日の方向に目を逸らした。

〝おあいこ〟って所かしら。

何故か、愉快な気分になり、口元が緩んだ。

清宮が、無言で、気味の悪いものでも見たかのような視線を送ってくる。

うん、この距離感が、私達の落ち着く距離。

別に、こんな大っ嫌いなヤツと一緒に居たいとは、思わないけれど。

名探偵ある所に、事件あり!

清宮いる所に、怪事件あり!

まぁ、それが、どうしてか、楽しかったりするわけですよ。