新月の輝くとき


私は、普段より少しだけ早く、教室に到着した。

その数分後、私が、教科書と怠けた宿題と睨めっこしていると、清宮が教室に入ってきた。

清宮というのは、腐れ縁の俺様系イケメンを気取り、さらに無駄に頭が良いという陰陽師の嫌味な男子生徒である。

女子のお祭りバレンタインには…

「バレンタインって、嫌な日だな。ったく、チョコは、苦手なんだよ。」

とかいう、イケメン野郎の名言を吐き、一部男子生徒から、非難の嵐をくらったらしい……噂がまことしやかに学校中を駆け巡っている。

清宮とは、そういう男である。

清宮は、私の机に歩み寄ると、ぶっきらぼうに言った。

「神崎、三月十四日の日曜日、何か予定あるか?」

私は、即座に、脳内で記憶の予定表をペラペラと開き、確認した。

「三月十四日…別に暇かな。で、どうしたの?また、物の怪討伐?」

「いや、その…だからっ」

清宮は、柄になく言葉を詰まらせた。

隠し事?、そう考えた私は、清宮に怪訝な視線を送る。

目を泳がせる清宮に、私は、視線を鋭く細めた。

同時に、私は、制服の右ポケットから、微かな振動を感じ、携帯を取り出す。

ピコンピコンと赤いランプが、新着メールを伝えていた。

視線をあげると、何故か、ドアのところで拳を握り締めるポニーテールを見つけた。

恵である。

恵が〝今すぐメールを読め!〟と下手なジェスチャーで命令してくる。

私は、メールに視線を落とした。

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狩沢恵のお得な情報
三月十四日は、別名〝ホワイトデー〟です。
ホワイトデーとは、男の子がバレンタインのお返しをする日のことです。
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