そして、一週間後、あの友人の妻が依頼した刀を明け方早くに取りに来た。

その後の詳細は、よく伝わっていない。

ただ、友人の妻は、死んだ、とだけ伝わっている。

次の日、怒鳴りこんできた友人は、朱正を一目見て、死の恐怖を覚え逃げだした。

朱正の瞳は、灰色で全ての感情が欠落していたという。

そして、朱正が、戦に駆り出され、大勝を挙げたのは、その翌年のことであった。(後編に続く)

【神崎小夜の手帳より抜粋】
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