朱正は、友人の見込んだ通り、仕事を再開し、友人は、それを安心して静かに立ち去った。

その夜更け、役人が朱正のもとに現れ、〝牡丹の自殺〟を告げた。

朱正は、役人に手をあげることも怒鳴ることもしなかった。

ただ俯くその顔に不気味な笑みを浮かべていたらしい。

その日を境に、朱正は、狂気に囚われたのだ、と噂された。

朱正は、狂ったようにあの友人の持ち込んだ刀を研ぎ続けた。