新月の輝くとき

足どり軽く廊下へ出ていく恵の後ろ姿にヒラヒラ手を振り送り出す。

恵は、結城と出会うことで、強靭な精神力を身につけた。

会う度に獅子のごとく猛アピールを繰り返す恵に、結城は〝残念な子〟と一瞥して目を逸らす。

「冷たい瞳で無視されると、私に気があるんじゃないかって思っちゃうのよね」

最近の恵は、ついに支離滅裂な事を言い出し、本当に〝残念な子〟になるのではないかと私の心配の種になっている。