「神崎…」

家の神社の鳥居から声がした。

息を殺し、恐る恐る近づく。

鳥居の陰から姿を現したのは、清宮だった。

「今、何時か分かってる?」

清宮が静かに問いかける。

そう言えば何時だろう、と今更のように思った私は、清宮に首を傾げて見せた。

「午前一時だよ!お前、何、夜中に出歩いてるんだ?」

清宮が低い怒鳴り声を上げる。

私は、清宮の言葉に疑問を持つ。

「あんたこそ、何よ?私の家の前で。私は、チョコレート買いに行くつもりなんだよね。」

清宮が私から目を逸らし、吐きすてる。

「謝るよ」