文化祭が終わり、ほとんどの生徒が校庭で後夜祭に興じる中、私と清宮は、屋上に佇んでいた。

「ねぇ、本当は、どうするべきだったのかな?」

ただ、答えが欲しかった。

私は、結局、結城晃を斬ることができなかったのだ。

「わかんねぇよ。」

清宮は、不貞腐れたような顔でぼそりと言う。

「ねぇ、どうして、結城晃、あんなに辛そうだったの?」

どうだろうな、と清宮は、月の見えない空を仰いだ。

「あいつは、妖だからな。恵さんのことどうしても考えられなかったんじゃないか。どんなに愛したとしても、最後に残されるのはいつもあいつ一人だけだからな。何回か経験してるんじゃないか?」