新月の輝くとき

清宮の言葉が言い終わるか終わらないかの瞬間、ステージに向かって飛びかかってくる黒い影が見えた。

「あぶないっ!神崎!」

私は、反射的に妖刀を抜いた。

シュンと空気を斬る軽音を響かせる。

ブォーと強い風を感じて振り向くと、清宮が和紙人形を器用に操っている。

私の身体が影と重なる一瞬、その細い隙間を一陣の風が通り抜けるのを感じた。

目の前で、和紙人形が姿を変えながら影を弾く。

私の前方五メートルほどのところでドサッと音がした。

「結城?」

小さな清宮のつぶやくような声が何故かはっきりと耳に通った。