「みーっけ!」 あたしは大木の一番低い枝に向かって大きくジャンプをして腕を伸ばした。 手に掴んだのは、タンポポで出来た花冠。 伊吹くんは、言葉も出ない様子。 あたしは嬉しくて花冠を目の前に掲げた。 「きゃー!可愛い!!」 すると伊吹くんはあたしの手からスッと花冠を取って、それを頭に乗せてくれた。 「似合ってる?」 「うん、かわいいよ」