〜希衣、伊吹5歳〜


――――――…



ぽかぽかと暖かい4月…


「きいちゃん、ここの原っぱのどこかに宝物を隠したからさがしてごらん!」


あたしは中原希衣。

そしてこの子は宮下伊吹。


伊吹くんはあたしと同い年の幼なじみ。


あたしたちがいるのは家から5分くらい歩いた場所にある、芝生の広がった土手。


「あたし場所わかったー!」


そう言ってあたしは一本の大木に向かって一直線に走って行った。