*Endless Story*

 ぼくのどこが好きなのかを彼女に聞いたことがある。彼女はいたって真剣にこたえてくれた。


「最初にこの人いいなって思ったのは、家に帰る途中で、怪我をした野良猫を手当していたのを見たときかな。何でそんな道具を持ち歩いていたかよりも、この人優しい、いい人だなって思ったの。委員会の時とか、スムーズに話し合いが進むように積極的に意見を出す姿とか、知れば知るほど好きになっていったの。……聞いてる?」


 聞いてますの声がでなかった。かわりに、何回も頷いた。まさか、彼女がこんなにもぼくのことを見ていたなんて、知らなかった。


 ちなみにぼくは一目惚れだった。