愛言葉(短編)

宏に聞かれた。
「伴奏者が何泣いとんの?聞いたけど、教室ついたらもう泣いとったんやって?どうしたん?なんかされた?」

「抜け出した時に、男子のパートで演奏しとったやん?それで先生にいけ!って言われて行こうとした時、転けた。それが痛かって、我慢して走っとったら何でか泣いとった。」

たまたま次の授業が担任だったので、話し合いになった。
ソプラノは何もしてない。と言い張り、アルトは下手くそと言われた。と言い張り。
先生も男子も混乱しまくり!
そんな時、先生に
「室長2人!何がおきたんや。」
と言われた。宏はただパニックになっていただけなので、私が説明した。

「アルトの子達は、ソプラノに声がちっちゃいとか下手くそとか悪口を言われて、泣いていました。」
と言ったら先生に

「そんで、稀々菜も泣いたんやな?」

「はい。」
恥ずかしかった。(顔が赤くなっていたらしい。)