愛言葉(短編)

私は泣いてちゃダメだ。と思って、泣きやもうと頑張った。
でも、無理だった。だから泣きながら話し合いをした。

「なんで...抜け出したん?」

「だって、だって。」
で大号泣。

宏が1番パニックになっていた。
私は宏に
ごめん。ごめん。とずっと謝っていたらしい。(泣いていた事は覚えているけど、謝っていたのは記憶にない。)

泣き止んだ頃にもう1回聞いてみた。
「なんで抜け出したん?」

「稀々菜ちゃんは、伴奏やから知らんかもしれやんけど、声がちっちゃいとか下手くそとか言われた。」

「誰に?」

「ソプラノのパートリーダー。」

私は宏にソプラノを呼んできてと頼んだ。
えー。とか言いながら呼びに言った。

ちょうどチャイムが鳴った。先生や男子はなんで泣いとんの?みたいな感じやった。

アルトの子達はほとんどが彼氏持ちで彼氏のところに行って、泣いていた。

そんな私も泣いていたんだが。