9月10日の木曜日。


少しルンルンな気分で学校に行き教室を開けた瞬間「「おめでとー!!」」と複数の声がかけられた。


……!?!? 戸惑うあたしを他所にみんなはあたしを黒板の前へと連れていく。


そこには【凌!誕生日おめでとう】とカラフルに書かれている。


「なっ、何これ〜!」


半泣き状態のあたしに侑菜が笑いながら言う。


「バカでチビでたまに可愛い凌の誕生日をお祝いするためじゃーん!」

「な…なんか余計な言葉ばっかだけどありがと〜! 嬉しい!」


侑菜に抱きつけばケケケと不気味な笑い声を上げた。


「凌ちゃん、ほい!」


そう言ってなっちゃんから差し出されたのは長方形の箱。


「え?」

「誕プレ!」

「え〜! 嬉しい!」

「ほれほれ、開けてみなされ!」


促されるように丁寧に包を開き箱を開けるとそこには四葉のクローバーのネックレス。


な、なっちゃーん……!


「ありがと〜〜! あたしがクローバー好きなの知ってて…!」

「もちろんよ! 喜んでくれて良かった!」


そう言ってニコニコと笑うなっちゃんに溢れそうになる涙を堪えて笑顔を見せた。


本当に嬉しい!可愛い!大好き!


ハートやクロス、星とかスカルとかも好きだけど、一番好きなのはクローバー!


昔からだからなっちゃんが知っててもおかしくないけど、覚えてくれてるのが嬉しくって…。


あたしはずっとニヤニヤしてしまう。


「ちょっと凌ちゃん? 樹英からもあるんだから! ここで泣き崩れないでよー?」


そう言いながらあたしにプレゼントを渡してくれる樹英。


樹英からのプレゼントは抱き抱えるほどの大きさ。


「なんか、すごく大きいよ…?」


恐る恐る尋ねるあたしにうんうんと頷くだけの樹英。


え、何それ……。開けろって言ってる?


意味の分からないまま樹英からのプレゼントを開封していく。


「…! か、可愛い〜!」


それは大きなクッション。間に両手を入れられるタイプで、映画や音楽鑑賞中にすっごく役立ちそう!


「嬉しい〜!!」

「喜んでくれて良かった! これから寒くなるし活用してね!」

「いっぱい使う!本当に! ありがと〜」


嬉しくてクッションをギューッと抱きしめたままのあたし。


触り心地もすっごく気持ちいいし、色だってベビーピンクで可愛い。


みんなあたしの趣味や好みを把握してくれてるんだね…。


感激過ぎて涙より笑いの方が零れちゃうよ。


「凌ちゃん、はい」

「ん?」


クッションを抱きしめているあたしの後ろから雅ちゃんが渡してくれたのは、小さな正方形の箱。


この形から推測すると……。


「あっ! ゆ、指輪…!?」

「アホか!」

「だよね〜」

「いいから開けてみれば?」

「うん!」