あっつい8月中旬の今日この頃。
気が付けば夏休みももうすぐ終わるという時、侑菜からLINEが来た。
《莉人くん明後日帰って来るってー》
ふんふん…。明後日かぁ…。
どうしよう、侑京に言った方がいいかなぁ? でも今日は用事があるって言ってたし、明日でもいいかな?
そんな事を思いながら侑菜にお礼の返事を送る。
―――近々莉人くんと会うことになってる。
もちろん侑京と3人で。
だけどあたしは中3のあの日以来莉人くんと会っていないわけで…。
緊張しないと言えば嘘になる。少し怖いと思う部分だって未だにある。
侑京がいるから大丈夫だって思ってるけど、日が近付くたびにやっぱり不安な気持ちは隠し切れなくて――…。
「今更なしにするなんて出来ないよね…」
そんな事分かってるし、するつもりもない。
いくら臆病なあたしでもそんな事したくないもん。
だって侑京はあたしの為に莉人くんと話したいって言ってくれてるんだもん。そんなこと出来ないよ。
……あ、そうだ。いっそのこと侑菜も誘ってダブルデート風に思えばいいんじゃない!?
侑菜と莉人くんなら大丈夫! あたしは全然気にしないよ!
再び侑菜にLINEを送ってみたものの――。
《はぁー!?バカ!?あんたバカ!? なんで侑菜が莉人くんなんかとデートみたいにしないといけないの!?!?》
……ですよねー…。
いや、分かってたんだよ? 侑菜の事だからこんな返事が返ってくることは予想の範囲内。
なら、航大に言ってみれば…、
《ちなみに》
……ん?
《航大に言ったらぶっ殺す》
「…………」
あたしの味方いないってわけですか…。
今回のことを侑京に相談するわけにもいかないし…。
仕方ない。もう3人で会うしかないよね…。
まだいつか会うか決めてないし、まずはそこから。
―――あれから、もう2年になるんだね…。
早かったように感じてとても長い2年だったように思うよ。
莉人くんと別れたばかりの頃のあたしは本当に抜け殻みたいで、侑菜たちにたくさん迷惑と心配をかけた。
大喧嘩した侑菜とこうして今でも仲良く親友でいられる事さえ奇跡みたいに感じる。
―――莉人くんとも、昔みたいに仲良くなれないかな…。
この事を侑京に言ったらなんて言うかな?思うかな?
侑京なら頑張れって言ってくれるかな…?
莉人くんに言ったらなんて言われるかな…?
莉人くんは『バカ?もう無理だろ』って言うのかな………。
もしそう言われたっていい。
あたしはちゃんと、自分の思いを口にしてみようと思うよ。
だって、もう一度莉人くんと仲良くなりたいもん。