それが君の願いなら。



翌日。


朝から雨で頭痛がヒドいあたしは机に項垂れる。


天気に左右されるあたしの体は、雨の日なんてもう最悪でしかない。


頭痛や耳鳴りがずっとひどい。


こんな時に女の子の日が被ったりしたら地獄でしかない。


廊下側の1番前。ここで良かったとは言えないけど、今はそれほど嫌いじゃない今のあたしの席。


授業中は開け放たれた窓から外を眺める。


校庭は反対側だから体育してるクラスは見えないけど、この席から見える空は好き。


先生の目に入りやすいからそうそう寝られないけど。


雨だって別に嫌いなわけじゃない。


ただ、体調が悪くなるだけで、雨自体は好き。


「……しんど、っ!?」


小さく呟いたあたしの頭に何か冷たい物が当たる。


驚いて顔を勢いよく上げると、ニヤニヤしながら抹茶オレを差し出して来るなっちゃんと樹英がいた。


「びっ、くりしたぁ…!」


2人共授業が終わって足早にどっか行くからトイレだと思ってたのに。


「…わざわざ買ってきてくれたの?」


「トイレのつ・い・で!」


「まぁ、言い出したのなっちゃんだけどね〜」


そう言った樹英の頭を叩くなっちゃんを見てあたしは笑った。


「ありがとう。素直に嬉しい」


「へへー!抱き着いて来てもいいんだぞ?」


なんて言いながら両手を広げるなっちゃんにまた笑って、抱き着いた。


「2人共ありがとー」