それが君の願いなら。



むーっと考えているあたしに気付いた雅ちゃんが、


「…納得いかないような顔してるから言ってあげるけど、侑京くんは凌ちゃんの事ずっと好きだったらしいよ?」


「え、」


「鈍感の凌ちゃんは気付かないだろうど、雅も樹英里も夏実ちゃんも。周りは結構気付いてたから」


「えぇー!」


「うるさいバカ! まぁ、本当かどうかなんて見てるだけの雅たちには分かんないから、直接本人にでも聞いてみれば?」


ニヤリと意地悪く笑いながら自分の席に戻る雅ちゃん。


えー……何それ…。


すっごい気になるじゃんか……。


だからって侑京にそんな事聞くのは恥ずかしすぎる…。


でも、本当に気になる――…。


「聞いて、みようかな…」


呟いたあたしの声を拾ったらしいなっちゃんと樹英に「おっ」と言われた。


なんだか2人共楽しそうですね。


いや……それは雅ちゃんもそうだ。


みんな楽しそうで何よりだけど、あたしの事で楽しまないでよ……。


ふぅ、と小さく息を吐いた時、担任が教室に入って来た。


「おーい、席付けー。HR始めるぞー」


朝からドッと疲れたあたしはダラダラと自分の席についた。


嵐が過ぎ去って一安心みたいな…。一安心と言うか、やっと落ち着けるって感じに近いと思うけど。


「それじゃあ今日も元気に頑張れよ。はい日直ー、号令」


先生がいなくなりあたしは机に突っ伏した。……かったのに、なっちゃんが来たことによって遮られる。


「はいはい凌ちゃん、寝ない!」


「なっちゃん…あたし疲れたよ……」


「1限目寝てもいいから、質問タイム始めるよー!」


「………勘弁してください…」


「はい1問目〜」


あたしの声は届かず質問タイムを勝手に1人で始めてしまうなっちゃん。


はぁ……もういいや。どうにでもなれ…。


諦めたあたしは渋々なっちゃんの質問タイムに答え始めた。


「凌ちゃんはなんて告白したの?」


「え、あたし告白してない、かも…?」


「はっ!? 何それ!じゃあ好きって伝えてないの!?」


「あ、それは言った」


「なんて?」


「…『侑京、大好きだよ』って」


「……侑京くん死んだでしょ?」


「死んでないよ! 生きてるもん!」


「いや、精神的に限界を超える日は近いと思うよ…」


「……??」


なっちゃんの言葉に首を傾げることしか出来ない。


精神的限界? 何それ?